受験生へのメッセージ 2014(2)

私は卒業研究で放射線治療に関する研究をしています。「物理学科に進学して医療に関する研究ができるのか?」と思う方もいるかもしれませんが,物理学科では素粒子から宇宙まで自然界で起こる様々な現象を学ぶ事ができます。放射線もその一つです。また東海大学は総合大学なので物理学科の先生だけでなく医学研究科の先生方も研究のサポートをしてくれています。

物理の知識を生かせる職業の中に医学物理士という職業があります。医学物理士は放射線治療の安全性を保つ事や、患者さんに当てる放射線の量や当て方を考えるなど,物理の知識が直接人の為に役立つ職業です。「興味のある分野で誰かの役に立てる!」私はそう感じ大学院は医学物理士を目指すために医学研究科に進学します。

ですが入学当初,私は「宇宙の事を学びたい!」という気持ちだけで物理学科に入学しました。物理学科の授業は高校の授業ではやらなかったような幅広い専門分野を学べます。また実験の授業でも音波やプラズマ,レーザーなど,多様な分野の実験ができるので座学だけではわからない物理の楽しさを知ることができると思います。

平井さんと櫛田准教授
平井さんと櫛田准教授

私は実験の授業をきっかけに放射線に興味を持ちました。実験では放射線のエネルギーを計測しました。実際に目では見えない放射線ですが検出器で検出することにより間接的に放射線のエネルギーを見ることができます。私は「目には見えない物質がエネルギーを持っている」という所に興味をひかれ放射線について更に深く知りたいと思いました。そして研究室選びでは宇宙ではなく放射線に関することを研究したいと思い医学研究科と繋がりがあり,放射線治療について研究ができる櫛田研究室を選びました。この研究室で目標とする職業の存在を知ることができました。

今,将来の夢や目標が見つかっていない人もいるかもしれません。ですが幅広い分野が学べる物理学科で,私のように目標が見つかるかもしれません。きっと卒業する頃には今では想像がつかないような自分に成長していると思います。

平井