梶田隆章氏(東大)がノーベル物理学賞受賞

−東海大学も参加するスーパーカミオカンデグループの画期的な成果に対して −

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東京大学宇宙線研究所 提供

物理学科の西嶋恭司教授と大学院生の伊藤恭平さんが参加するスーパーカミオカンデグループが、これまでの常識を覆しニュートリノの質量がゼロではない証拠を実験的に発見したことに対して、この研究を率いた東京大学宇宙線研究所の梶田隆章氏に今年度のノーベル物理学賞が授与されることが決定しました。
前身のカミオカンデ実験で、大気中で宇宙線によって生成されたミューオンニュートリノと電子ニュートリノの比が、理論的に予想される値と食い違うことが問題になっていました。その後スーパーカミオカンデ実験で精密に観測した結果、地球の裏側から来るミューオンニュートリノが予想の半分ほどに減っていることが確認されました。この結果は、ミューオンニュートリノが長い距離を走っている間にタウニュートリノに変化するニュートリノ振動という現象が起こっていることで説明ができ、このことはニュートリノの質量がゼロでは起こり得ないニュートリノ振動という現象を世界で初めて実証し、ニュートリノが質量を持っていることの証拠を発見したことになります。素粒子の標準理論を超える画期的な成果です。
西嶋研の歴代大学院生の多くがこのカミオカンデ、スーパーカミオカンデ実験に参加して研究をしていた経験を持ち、今も大きな自信になっていることと思います。