物理学基礎実験

2018年度から1年生秋セメスターにおいて物理学基礎実験が開講されました。この実験では既知の法則や物理量間の関係性を確かめ,基礎知識と技術の習得を目指しています。

2018年10月に完成したCTA大口径望遠鏡で初めて信号をとらえました

本学科の西嶋教授、櫛田教授が参加している国際協力プロジェクトCTA計画において、超高エネルギーガンマ線天体を観測するチェレンコフ・テレスコープ・アレイ(CTA)大口径望遠鏡1号基が、2018年10月にスペインのラ・パルマ島に完成し、12月にはこの望遠鏡で初めて信号をとらえることができました。
https://www.cta-observatory.org/lst-prototype-records-its-first-light/

この望遠鏡により、ガンマ線天文学を飛躍的に推し進め、新たな天体の発見や、素粒子物理学など幅広い分野に大きな貢献ができると見込まれています。東海大学物理学科の天文・宇宙物理・宇宙線研究グループはCTA計画においてカメラ開発、シミュレーション、データ解析に携わっています。

皆既月食(2018年1月31日)の東海大望遠鏡撮影画像公開

月が地球の影に入って欠け始め、次第に月全体が影に入り皆既食になるのが皆既月食です。

2018年1月31日の皆既月食は「普段より大きくみえる満月」であるスーパームーン「1カ月で2度目の満月」であるブルームーン「皆既食のため赤黒く見える」ブラッドムーンの3つの現象が重なり「スーパーブルーブラッドムーン」とニュースでも報道されていたため、注目された方も多かったかと思います。

この皆既月食を東海大学にある望遠鏡で撮影した画像を「インターネット望遠鏡プロジェクト」のページに公開しました。
http://arcadia.koeki-u.ac.jp/itp/eclipse2018/view.html

当日天気が悪くて見れなかった方も、もう一度スーパーブルーブラッドムーンを楽しみたい方もぜひご覧ください。

東海大学の望遠鏡はインターネットを介して動かし、“いつでも・どこでも・だれでも”天体観測ができます。東海大学望遠鏡についてや望遠鏡の動かし方の詳細はこちら
http://www.u-tokai.ac.jp/academics/undergraduate/science/news/detail/post_38.html

研究紹介 山口真研究室

理学部物理学科 山口真研究室

私たちの身の回りにある様々な物質は、電子や原子といった無数の粒子の集団によって構成されています。そして、これらの粒子の1つ1つの性質は単純であったとしても、無数の粒子が集まって集団となると、個別の粒子の振る舞いからは全く予想もしなかった性質が発現することが多々あります。

たとえば、水はたくさんのH2O分子の集団と捉えることができますが、温度が0度以下では固体(氷)であるのに対し、0度~100度の間では液体(水)として振る舞い、100度以上では気体(水蒸気)として存在します。このような性質の劇的な変化(相転移と呼ばれる)は、個別のH2O分子の性質だけから理解することはできません。この現象を根本から理解するには、無数のH2O分子がお互いに相互作用しつつ、集団としてどのように振る舞うのかという視点に立って考える必要性が生じます。

現在、水分子に限らず、このような粒子の集団としての振る舞いを系統的に理解する方法論として、熱力学・統計力学という学問分野が確立しています。この学問分野は、物質の性質を理論的に説明する上で、これまで多くの成功を収めてきました。高校でも習う(理想)気体の性質はもちろんのこと、金属や半導体、磁石の性質から超伝導に至るまで熱力学・統計力学を用いて解析できる現象は広範にわたります。特に超伝導現象は、金属など特定の物質の温度を徐々に下げていくとある温度で突然電気抵抗がゼロとなる驚くべき現象ですが、この現象も熱力学・統計力学の視点から相転移として捉えることができます。

このように熱力学・統計力学は極めて強力な理論体系となっているのですが、実は大きな問題が1つあります。それは、これらの方法論が「物質は熱平衡状態(長時間経過後に物質が自然に行き着く状態)にあること」を大前提としているという点です。したがって、この大前提から大きく外れた「非平衡状態」にある物質の性質については、まだまだ分かっていないことが数多く残っています。

このため私の研究室では、物質を構成している粒子の微視的な物理法則(量子力学)を出発点として、非平衡状態にある様々な物質の性質を明らかにする理論(物性理論)の研究を行っています。具体的には、非平衡性が本質的に重要となる半導体光物性理論(半導体レーザーなど)や、非平衡統計力学の一般論の開拓に興味をもって取り組んでいます。大学入学時点では、物性理論という分野そのものを知らない学生も多いように思うのですが、実際に取り組んでみるとその面白さに魅了される学生は多いと思います。たくさん勉強して、私たちと一緒に研究を進めてみませんか?

インターネット望遠鏡で “いつでも・どこでも・だれでも” 天体観測

理学部では今年新たな教育研究用天体望遠鏡を導入しました。管理・運用は物理学科教員および学生が行っておりますが、この望遠鏡をインターネットを介して動かし、
“いつでも・どこでも・だれでも”天体観測ができます。
星が輝く寒い夜は暖かい室内から望遠鏡を動かして天体観測をお楽しみください。

東海大学望遠鏡についてや望遠鏡の動かし方の詳細はこちら
http://www.u-tokai.ac.jp/academics/undergraduate/science/news/detail/post_38.html