ホームカミングデーが行われました

コムスクエアにて、2015年のノーベル物理学賞「ニュートリノ振動の発見」をもたらしたスーパーカミオカンデとニュートリノ振動についての解説展示を行いました。物理学科の西嶋先生をはじめ、現在過去多くの学生たちがスーパーカミオカンデ実験グループに参加しています。

たくさんのご来場ありがとうございました。来年もお待ちしています。

加速器科学セミナーを開催しました

「荷電粒子ビームを操る」というタイトルで,日本最大の加速器研究施設・高エネルギー加速器研究機構の山本昇教授による教室講演会を開催しました.
物理学科の1年生から大学院生まで幅広い学生さんが多数集まり,最後は活発な質疑応答で講演会は終了しました.将来の科学を担う物理学科の学生さんにとって,とても良い刺激になりました.

研究紹介 河内研究室

理学部物理学科 河内研究室

夜空を見上げると輝く星々...でも目に見える光とは別の光や粒子で探せば、この宇宙は全く違う姿を見せます。私達はX線などで活発な変動を示す天体を、観測データやシミュレーションを使って研究しています。最近では銀河系内の連星系を対象に南アフリカ天文台の赤外線望遠鏡で観測を行いました。大学院生も主力となって海外で観測しています。南アフリカ天文台には多くの望遠鏡が設置されていて、共同宿舎では色々な国の研究者と交流することができたそうです。写真は南アフリカのSALT望遠鏡の前に立つ、大学院生の千桝(ちます)君です。

研究紹介 八木原研究室 学会研究会受賞

川口翼さん:第54回高分子と水に関する討論会 優秀賞

大学院総合理工学研究科総合理工学専攻物理・数理科学コース博士課程3年生の川口翼さん(指導教員=理学部物理学科・八木原晋教授)が、12月8日に開催された第54回高分子と水に関する討論会(東京)で優秀賞を受賞しました。この賞は高分子学会の高分子と水・分離に関する研究会が同討論会での若手研究者による優秀発表を称えるために、候補者の10-15%の発表に贈られるもので、今回は「液体分子の回転・並進拡散の相補的解析による動的構造の特徴づけ」と題した川口さんの発表が選ばれました。これまで核磁気共鳴と誘電分光を相補的に用いて複雑系物質や生体の動的構造について研究しており、液体構造から食品、脳機能まで幅広い研究活動を目指しています。
川口さんは、「本研究では、全く異なる測定手法を用いて数多くの常温で液体状態をとる分子を測定することで、分子の回転・並進運動について分子種によらない統一的な解釈を行うことを目指しています。極めて基礎的なテーマではありますが、測定上では様々な困難がありこれまで調べられていませんでした。今回、いままで私たちが行ってきた様々な測定手法の改善や工夫を評価していただき、受賞できたことを大変うれしく思います。」と話しています。

庄司幸平さん:第26回日本MRS年次大会 奨励賞

大学院理学研究科物理学専攻修士課程1年生の庄司幸平さん(指導教員=理学部物理学科・八木原晋教授)が、12月20日に開催された第26回日本MRS年次大会(横浜)で奨励賞を受賞しました。この賞は例年開かれる年次大会で優秀な発表をした若手研究者を称 えるために、候補者の10%程度の発表者に贈られます。庄司さんは、広帯域誘電分光法によってW/Oエマルションの構造形成について調べており、食品や生体などの複雑系の構造形成過程への応用まで研究しています。今回は「食用油の分子挙動と水との凝集構造形成への誘電分光法からの考察」と題した発表が選ばれました。
庄司さんは、「私の研究対象であるW/Oエマルションは、水が油中に分散した熱力学的に不安定なものです。エマルションの研究の多くは安定性を高めることに着目していましたが、私の研究では不安定さを逆手にとり、エマルションの構造形成の過程に界面のイオン挙動から迫った点が独特で、今回の受賞に繋がったのではないかと思います。今後もこれを励みにさらに研究を進め、将来的には食品や生体といった分野への応用の足がかりとしたいと考えています。」と話しています。

研究紹介 林研究室

理学部物理学科 林研究室

概要

「世の中の物質をどんどん細かくしていくと何になるのだろう。」
「宇宙はどのようにして始まったのだろうか。」
子どもの頃、このような素朴な問いに思いを馳せたことがあるのではないでしょうか。私の専門分野である超弦理論、素粒子理論は、このような素朴な問いの答えを大真面目に物理として理解することを究極の目標としています。

例えば、身の回りの物質の運動を考えると、それらの多くは高校でも習うニュートン力学を用いて理解することができます。しかしながら、ニュートン力学で全てが理解できるわけではありません。光の速さに近い速さで運動する物体は、ニュートン力学を拡張したアインシュタインの特殊相対性理論によって記述できます。一方で、非常にミクロな粒子の運動を記述する場合は、ニュートン力学の別の拡張である量子力学が必要になります。では、光速で運動するミクロな粒子の運動を理解したい場合にはどうすれば良いのでしょうか。実はその場合は、特殊相対性理論と量子力学を融合した、場の量子論という理論によって記述できることが分かっています。この場の量子論は、素粒子の運動を記述する基礎理論であり、現代物理学において非常に重要な役割を占めています。

しかし、話はこれで終わりではありません。実は、強い重力は、特殊相対性理論をさらに拡張した一般相対性理論によって記述されるため、この一般相対性理論と量子力学を統一的に扱える枠組みが必要となります。その統一理論の有力候補であるのが、私の専門分野でもある超弦理論です。超弦理論はこれまでの理論と違い、とても変わった性質を持っています。例えば、もし超弦理論が私たちの宇宙を記述しているならば、
・すべての物質はひも状の弦から出来ている。
・宇宙空間は空間三次元、時間一次元の他に六次元空間が存在する。
といったことを示唆しているのです。にわかには信じられませんが、この一風変わった特徴が、一般相対性理論と量子力学を融合する際の困難の解消に役立ち、また他方では超弦理論の大変豊かな数学的構造を生み出しています。実は、超弦理論の研究から数学の新たな分野が生まれたこともあるのです。私は、この超弦理論を用いて、場の量子論、数学、素粒子物理、宇宙物理の新たな側面を理解することを目的とした研究を行っています。

また、超弦理論は世界中で活発に研究されており、私もこれまで様々な国々の研究者と共同研究を行ってきました。基本的には紙と鉛筆だけで、世界中の研究者と議論し、新たな発見ができるところも魅力の一つだと思っています。