梶田隆章氏(東大)がノーベル物理学賞受賞

−東海大学も参加するスーパーカミオカンデグループの画期的な成果に対して −

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東京大学宇宙線研究所 提供

物理学科の西嶋恭司教授と大学院生の伊藤恭平さんが参加するスーパーカミオカンデグループが、これまでの常識を覆しニュートリノの質量がゼロではない証拠を実験的に発見したことに対して、この研究を率いた東京大学宇宙線研究所の梶田隆章氏に今年度のノーベル物理学賞が授与されることが決定しました。
前身のカミオカンデ実験で、大気中で宇宙線によって生成されたミューオンニュートリノと電子ニュートリノの比が、理論的に予想される値と食い違うことが問題になっていました。その後スーパーカミオカンデ実験で精密に観測した結果、地球の裏側から来るミューオンニュートリノが予想の半分ほどに減っていることが確認されました。この結果は、ミューオンニュートリノが長い距離を走っている間にタウニュートリノに変化するニュートリノ振動という現象が起こっていることで説明ができ、このことはニュートリノの質量がゼロでは起こり得ないニュートリノ振動という現象を世界で初めて実証し、ニュートリノが質量を持っていることの証拠を発見したことになります。素粒子の標準理論を超える画期的な成果です。
西嶋研の歴代大学院生の多くがこのカミオカンデ、スーパーカミオカンデ実験に参加して研究をしていた経験を持ち、今も大きな自信になっていることと思います。

物理学科同窓会総会開催

東海大学理学部物理学科同窓会では、下記の通り2015年度同窓会総会を開催いたします。久方ぶりに在学中のことを思い出していただきたく、御参加下さいますよう御案内申し上げます。

2015年度物理学科同窓会総会
日時:11月3日(火・祝) 12:00~13:00
場所:東海大学 湘南校舎 18号館6階 ユニバーサルプレート
議題:

1. 新役員の報告
2. 同窓会費会計報告
3. 同窓会賞授与の報告
4. 代議員の承認
5. 物理学科同窓会ホームページの活用について
6. その他

7月25日に卒業研究,中間発表が行なわれます

発表タイトル

半導体励起アルカリレーザー(DPAL)を用いたスペースデブリ除去の基礎研究
自励振動ヒートパイプの冷却原理と応用
GAPS気球実験用TOFカウンターの最適設計を検証する
Geant4を用いた放射線計測実験における被ばく線量評価
無機シンチレータを用いたγ線と物質の相互作用の研究
宇宙線ミューオンの天頂角分布と建物の影響評
AMS-02による宇宙線反陽子スペクトル観測についての考察
NOVA Sgr 2015No.2の光学観測およびガンマ線観測
ブレーザーの可視光観測
散開星団M35の年齢推定
かなた/HONIRによるガンマ線連星HESS J0632+057の近赤外観測
ATCA 3 mmバンド電波観測によるPSR B1259-63/LS 2883の放射モデルの制限
ブラックホール連星系v404の歴史的突発現象の研究
PNiPAM溶液におけるソレー効果の温度依存性および分子量依存性
光散乱法によるゲル浸透クロマトグラフィー検量線の改良
高分子/水/アルコール3成分系の相転移温度から解析する共貧溶媒性
温度勾配下のデオキシリボ核酸における輸送現象の研究
光散乱法を用いた混合溶媒中における感熱性高分子のコイル・グロビュール転移
宇宙背景ニュートリノの現状
NMSSMのLSPの性質とダークマターの残存量
ディラック型ニュートリノとダークマター
レプトン混合行列の対称行列及び反対称行列分解
スカラーシングレット粒子とダークマター残存量
原始ブラックホールがダークマターになり得る条件
ビッグバン元素合成と初期宇宙でのダーク放射
最小超対称標準理論のLSPの性質とダークマターの残存量
ガラス転移温度測定を目的としたThermal Stimulated Depolarization Current装置開発
誘電測定で見る高分子超薄膜のガラス転移
広帯域誘電分光法によるPoly(vinyl methyl ether)水溶液の高分子と水分子のダイナミクス
誘電分光法による氷結したMyoglobin水溶液の分子ダイナミクス
誘電分光法によるPoly(ethylene imine)水溶液のガラス転移
2次元波のシミュレーション
波動関数のつくる線形空間についての数学的構造
Monte CarloシミュレーションにおけるIsingモデルの相転移現象
太陽活動が地球の気候変動に与える影響
光学干渉計を用いた空気の屈折率の測定
シングルモードファイバーの高次分散測定に関する研究
半導体可飽和吸収鏡を用いたサブナノ秒パルス生成に関する研究
外部変調器を用いたパルスレーザーについての研究
異常分散光学素子の分散測定に関する研究
光学干渉計を用いたレーザー光の波長の測定
光ファイバー先端加熱の時間分解計測
干渉計を用いたファイバーの分散測定に関する研究
光ファイバー伝搬中に生じる自己位相変調の影響についての研究
フェムト秒パルスの測定に関する研究
可飽和吸収体を用いたフェムト秒パルスレーザーに関する研究
半導体ゲインスイッチングによるピコ秒パルス生成についての研究
干渉計による気体振動の計測
核融合炉ダイバータ模擬実験における熱負荷特性
核融合炉におけるダイバータプラズマ中のイオンエネルギー分析
水素吸蔵材を用いた核融合炉燃料回収の研究
教養物理実験教育の補助教材としての映像教材の研究
Lorentz共変の形式を用いた(2+1)次元電磁気学の解析
過去から学ぶ基本原理をもとにした教材づくり
moodleを用いた教育支援システムの構築
特殊相対論的観点から見た双子のパラドックス
Inelastic Electron Scattering on Nuclei
フェムト秒レーザーによる励起過程の研究
NMRによる木材中における水の拡散異方性
脳機能計測による視覚情報系の実験的検証
イオン水流における電極分極の流速依存性
フラクタル次元による水の構造解析
時間領域反射法によるヒト皮膚の誘電緩和測定
木材の乾燥過程
NMRによる水と水-エタノール混合系の緩和測定
誘電分光法によるハーベスト油の分子ダイナミクス測定
イクラおよびモデル系の誘電分光法による界面分極の測定
ニュートリノ振動 実験
生成・消滅演算子と真空のエネルギー
行列による素粒子変化の記述
量子力学とクライン・ゴルドン方程式
素粒子模型
ニュートリノ振動 理論
量子力学と経路積分
通信帯半導体レーザーを用いたC2H2の吸収分光計測
シングルモードファイバーを用いた医療用レーザーメスの基礎研究
単一縦シングルモードピコ秒ファイバーレーザーに関する研究
光通信の高速化を目的とした波長変換についての研究
通信帯半導体レーザーを用いたCOの吸収分光計測
ガルバノミラーを用いたレーザー加工についての研究

卒業研究発表会

2月6日に理学部物理学科の卒業研究発表会を行います。
場所は18号館2階です。どなたでも参加可能です。

主な発表内容

  • 炭素及びアルミニウムの吸収体中でのミューオンの寿命測定
  • ガンマ線連星系PSRB1259-63のガス円盤が放射に及ぼす影響
  • Fermi衛星を用いた超新星残骸w28からのガンマ線の研究
  • 放射線医療への応用を前提とした検出器の基礎実験シミュレーション
  • 核融合周辺プラズマ計測のための高性能質量分析器の開発
  • 原子核の励起エネルギーと殻模型
  • 素粒子模型と3色のクォーク
  • 初期宇宙のレプトンフレーバー非対称性と相対論的有効自由度
  • 色素増感型太陽光励起ファイバーレーザー
  • 透過型回折格子を用いたフェムト秒パルス圧縮に関する研究
  • 中赤外線光源を用いたホルムアルデヒドの吸収分光に関する研究
  • ラジアル偏光ベッセルビームを用いSi.Cu.Alの微小領域励起
  • BSアンテナを用いた電波望遠鏡での太陽の観測
  • 光学顕微鏡で見る分子運動のゆらぎと非平衡系での輸送現象