LCRメータ
LCRメータはL(リアクタンス)、C(キャパシタンス)、R(レジスタンス)を測定する装置で、電子部品の検査、品質管理、研究開発に有効な汎用装置である。LCRメータを用い試料が入ったコンデンサーのRとCを測定することで、その周波数での複素誘電率を評価することができる。分子物性研究室では、HEWLETT PACKARD社のHP4284Aを使用している。HP4284Aは、20Hz〜1MHzまでの測定を行うことができる。


測定原理
誘電体を挿入したコンデンサーのアドミッタンスは次のように表現できる。
・・・(1)
ここでjは虚数単位、ωは角周波数、Cは誘電体を挿入したコンデンサーの静電容量を示してる。(1)は、ε*=C/C0、ε*=ε’-jε”を用いることで
・・・(2)
となる。一方、誘電体を挿入したコンデンサーの等価回路である並列回路のアドミッタンスを計算する。
・・・(3)
ここでRPは等価回路でのレジスタンス、CPはキャパシタンスを示している。(2)、(3)の実部、虚部を比較することで、ε’、ε”は
・・・(4)
となる(ただしD=1/RPとする)。以上から、DとCPを測定することで複素誘電率を測定することができる。


測定装置
HP4282Aの測定では、内蔵されたGPIBインターフェイスを通してパーソナルコンピュータにつなぎ、プログラムで制御を行っている。印加電圧と積算回数を指定することで、20MHz〜1MHzまでの測定を行わせ、同時に測定値を記憶することができる。